ついのべ 「あなた!何よこれ!」妻が私の背広のポケットにあった紙片を見て剣幕で怒鳴る。「私に黙ってこういう所に行くのね。最低だわ」軽蔑の視線で睨む妻に私は平謝りに謝る。「ご、ごめん、今度土産に買ってくるから」しまった、処分し忘れてた…買い食いした妻の好物、たい焼きの包み紙。#twnovel 「あなた!何よこれ!」またもや妻が何やら叫んでいる。おかしい、今日はアレもきちんと処分したはずだが……はっ!鞄!?「こ、こら!」慌てて妻から鞄を取り返すが遅かった。妻の手には3日後の結婚記念日に渡すつもりだった指輪。「ありがとう…」ちぇ、一週間隠しておいたのに。#twnovel 「振ったコーラを吹かせないで開ける方法教えてあげようか」「テーブルに置いて10回回すんだっけ?」「ううん、もっと簡単。こっちのコーラなら大丈夫、吹かないよ。交換してあげる」「……半分しか入ってないように見えるんだが」「うん。しかも気も抜けてる。絶対吹かないよ」#twnovel 「振ったコーラを吹かせないで開ける方法教えてあげようか」「交換は禁止な」「うん、まずはコーラをテーブルに置いて」「はぁ」「そしてテーブルの周りを走って10回も回ればあら不思議、そろそろ吹きだすことなく開けら「そろそろって言ってる時点で確信犯だろお前」#twnovel 神様なんていない。この頃殊更にそう思う。――若かりし頃はやんちゃでよく神棚に登りお宮を落っことしていたうちの猫。御歳18歳となった今もストーブの前で日がな一日眠りこけ、幸せな余生を過ごしている。……神様なんていないか、恐ろしく優しい。#twnovel 一心に 寝入る炬燵の 老猫を 息してるかと じっと眺める あれ、出かける前から動いてなくね?#tanka #jtanka 「病める時も健やかなる時も貧しい時も妻を愛する事を誓いますか?」「誓います」「貧乏の理由がパチンコで闇金に手を出してても?」「ち、誓います」「その上取立てにきたヤクザを返り討ちにして東京湾に沈めてても?」「え…誓いま…す」隣でほっと吐息が聞こえた。「よかった」#twnovel 弟の裕樹は受験生。私には何も出来ないけど、せめて邪魔だけはしないようにしなくちゃ。…あら、あの子の手からプリントが。「裕樹、プリント落ち…」はっいけない、落ちるだなんて受験生に!何か別の言葉、男の子に親しみのある言葉は…これだわ!「おちんちん!」「姉…ちゃん…?」#twnovel 「いたいいたい」「これは虫垂炎だね。すぐに手術しよう」「せ、先生」「何だね?」「も、盲腸の手術ではアソコの毛を剃るって聞きました。ど、どうか初の剃毛プレイは新人でいいんで若くて可愛い看護婦さんに…!」「おーい婦長、患者さんがお呼びだよ」#twnovel 「あなたと桜を見るのはもうこれで最後ね」寂しげに妻が言った。今日も相当に無理を押して来たのだ。次はないだろう。潤んだ瞳で満開の桜を見上げる妻が鼻を啜り上げた。「へくちっへくちっへくちっ」立て続けにくしゃみ。…今年まで知らなかった。桜にも花粉症があるなんて。#twnovel 私は殺人を犯してしまった。相手は私を騙した憎い男。あんなにも私と結婚するって言ってた癖に、その裏でつまらない女と二股をかけていたなんて。長年騙されていた私も愚かだったけどどうしても許せなかった…。接見室で向かい合う弁護士が溜息を吐く。「幼稚園の頃の約束じゃなあ…」#twnovel やあ、お帰りなさい。痛かった?うん、あちらには痛みがあるからね。悲しかった?うん、あちらには悲しみがあるからね。大丈夫、ここには辛い事なんてない。君はずっとここにいていいんだよ。…え、またもう行くの?楽しい事も沢山あったから?そっか、いってらっしゃい。気をつけて。#twnovel 玄関を開けた俺の目に飛び込んできたのは夥しい血痕。噎せ返る様な血臭の中に横たわるのは――「ゆ、ユキ…?」震える声で彼女の名を呼ぶが答えはない。あまりの惨状に、俺はその場にくずおれて、喉の限りに慟哭した。「玄関マットで出産する猫がどこにおるかこのアホ猫ーッ!!」#twnovel 男でも愛してる(7文字でBL) / 夢喰いの見る夢(雰囲気) / 手紙から花びら(雰囲気) / 蕎麦に親父の指(雰囲気) / タグの方が長ぇ(うん) / 遊学働働働働遊(人生を描いてみた) / 私にはもう無理(何よりも的確な抒情詩) #twnovel7 秋の府中には魔物が棲むと言う。過去にも数多の優駿ら、かの芦毛の怪物達までもが魔物に見入られ不可解な敗北を喫してきた。だが彼ならば――この奇跡の天馬ならば、きっと魔物の呪いすら振り切って、何よりも疾い風となり駆け抜けて行くに違いない。「さあ行こう、サイレンススズカ」#twnovel 「生理が来ないの」唐突に言う恋人に俺はカレンダーを見て笑った。「はいはい四月馬鹿」しかし彼女はにこりともしない。「…冗談だろ?」「そんなつまらない冗談言うと思うの?」…う、嘘だろ?まだ心の準備が…。動揺する俺に彼女は言った。「ま、来る予定はまだ一週間も先だけどね」#twnovel 地に堕ちた二度と動かぬ心臓と血塗れの翼。朱(あけ)に染まりし儚き生命の散華に僕は声咽(むせ)び啼泣する。……なんていうかつまり百歩譲って羽は諦めるからせめて内蔵は残さず食ってくれ馬鹿猫。僕はしょんぼりしながら無残なスズメさんを庭に埋めた。#twnovel 狂乱の宴に列せし罪深き僕に天罰は下された。体内に燻る地獄の業火の熾は今も脳を灼き胸を灼き永劫の痛苦を刻む。僕は白磁の祭壇に拝跪し穢れた祈りを吐き出した。「おええぇえぇぇぇ……うぷっ……昨晩は飲み過ぎた……」#twnovel d=365;cnt=0;while(1){if(MemorialDay(d)){if(Present(d)){cnt++;}}d--;if(d==0){if(cnt<3){break;}else{d=365;cnt=0;}}}誕生日・結婚記念日・後一つは任せるわ#twnovel 「お兄ちゃん、むりぃ、そんなにおっきいの入らない…」あたしはそう訴えるけどお兄ちゃんは無理矢理入れようとする。悲しくてぎゅっとあたしは目を伏せた。「そんなに大きいおにぎり入らないよう…」毎朝お兄ちゃんと一緒に作ってるお弁当の、あたしの担当のおかずパートが崩れるぅ。#twnovel 娘と近くの公園に花見に来たがまだ一分咲き程だった。「ママ、桜のお花咲いてないよ」「そうね、この頃はまだちょっと寒いから」「あったかくならないと咲かないの?」「そうよ」答えると娘は低い位置にあった枝に駆け寄り、蕾を小さな手で包んで一生懸命吐息を吐きかけ始めた。#twnovel 化粧水と美容液と乳液を塗った後に化粧下地とファンデーション。アイシャドウとアイラインを引いてから眉を書き口紅を施して最後に頬紅を入れる妻に私は感心して言った。「よく毎朝化粧など出来るな」「あなた程不毛な作業ではないもの」育毛剤の瓶が並ぶ私の手元を見て妻は言った。#twnovel 朝子のしとどに濡れそぼる穢れを知らない桃色の蕾は未だ固く閉じられていたが、指先でそっと弄るとびくんと跳ねるように震えた。その様をじっと観察する俺は興奮で胸を高鳴らせる。「はぁはぁ朝子、早く俺にその花びらの奥を見せてくれ…」「たかし、朝顔の観察は黙ってやりなさい!」#twnovel 海の魔物は今日も岩礁で歌を歌う。かつて勝手に歌に聞き惚れ勝手に座礁した人間共は、魔物の呪いと逆恨みして彼女の姉を射殺した。ならば呪ってやろう、この歌で。お前達の望む通りに呪いを真実にしてやろう。だから海の魔物は岩礁で歌を歌う。終わらない憎しみの歌。#twnovel 「山田まるお、鈴木たま子……」「それは次の選挙の候補者の名前?熱心なんだな」「公害問題対策を重視してる候補者に投票したいんだ」「その候補者が?」「いや、これは除外する方。選挙カーで騒音公害を撒き散らしている人をチェックしているんだ」#twnovel 「僕はマスコミなんて信じないよ。奴らは無駄に不安を煽る報道しかしない」「おい、その野菜は放射能が検出されたって聞くぞ、大丈夫か?」「そういう風評被害こそがマスコミの罪だ。大丈夫、これは安全宣言が出されているから」「そうなのか。所でその情報はどこで?」「テレビ」#twnovel 小さな籠の金糸雀は 青いお空に憧れて 隙を計って飛び出した 広い世界に飛び出した 初めて野を飛び山を飛び 疲れ休んだ木の梢 空を見上げた金糸雀は 鷹を知らずに見詰めてた 空に焦がれた金糸雀は 願い叶えて飛んで行く 己を喰らった猛禽の 血肉となって何処までも #twnovel 桜の樹の下には死体が埋まっている。昔の文人はそう言った。だからこそあれ程美しく咲くのだと。陽光の元に見れば幽玄な、宵闇の中に見れば凄艶なその姿…ああ確かに、かの花は何かしらの生命を吸って咲くものに違いない。「つまり、季節外れの蚊ね」君の一言に僕の夢想は儚く散る。#twnovel ネトゲでは外部ツールを利用してゲームをプレイすると規約違反としてBANされる。自動操縦など、マシンの手を借りてズルをするのはダメですよという説明は分かるのだけれども。「僕がプレイするのも本当は規約違反なのかなあ…」アンドロイドの僕としてはその点ちょっと気がかりだ。#twnovel 生まれが多少違うだけ。ただそれだけの差でしかない全く同じ存在なのに、彼らは大切な宝物のように育てられ、僕らは無慈悲に殺されていく。不条理を叫んでも届かない。僕は密やかに願いながら運命を受け入れるより他なかった。今度生まれる時は腋毛でなくて髪の毛に。#twnovel 道端に潜む俺は興奮に息を荒くした。狙うは小学生女児。コートをはだけた俺に彼女らが絶叫する姿を想像して舌なめずりする。俺は少女らの前に躍り出てがばっと前を開いた。「きゃああ!」少女らは叫ぶ――コートの中から飛び出す蛙に。「伊藤君サイテー!先生に言いつけるからね!」#twnovel 静まり返る教室に警報音が響き渡る。携帯の緊急地震速報。数秒後建物が鳴動し始めた。かなり大きい。「机の下へ」指示に従い生徒達は隠れた。やがて揺れが収まり顔を出した生徒達に試験監督は言った。「今回の入試では会場への携帯電話の持ち込みは不正行為と見なす事になっています」#twnovel ゆらゆらとした眩暈のような揺れを感じる。あ、地震。そう思って部屋の電気の紐を見上げるが、紐は揺れてはいなかった。紐も揺らさない程弱い地震だったのか、揺れているのは私自身だったのか。最早自信が無い。#twnovel 最新の研究結果が発表された。何と、地震は自信に誘発されている事が分かったのだ。つまり自信を無くせば地震は止まる。政府は即座に自信停止令を発令した。「こんな大災害から立ち直る自信が無い」「原子炉をどうにかする自信なんて無い」――その結果地震こそ止まったが、#twnovel 動物の言葉が分かる能力。ペットを飼う人間なら誰もが一度は欲しいと思うその夢の能力を、私はついに手に入れた! 早速愛猫の声に耳を傾けてみる――。いつもの「おあーん。おあーん」が「ごはーん。ごはーん」になっていた。#twnovel 動物の言葉が分かる能力。その夢の能力を手に入れた私に愛猫が声を掛けてくる。「股を開くのです! 早く! くぱぁと股をお開きなさい!!」えええ!? なんと破廉恥なご命令を!? 恐る恐る開いた私の両足の間に愛猫はすっぽりと収まり気持ちよさそうに眠り始めた。#twnovel いとこが福島から避難して来た。「お疲れさん、大丈夫だった?」福島県民に対する差別があると報道で聞いた僕は道中に不便が無いか心配だったが、彼はあっけらかんと言う。「大丈夫、僕は放射能で進化したみたいだ」「え、ええっ?」「お陰で馬鹿発見器になれたよ」#twnovel 「こいという字はつるという字に似てるね」唐突に彼女がそんな事を言った。え?恋と変でなく?首を傾げると彼女は紙に書いて見せて来る。「戀(旧字体)と攣。似てるでしょ?」漢検1級の彼女。…でも意味分からん。「ほら、あの時とかよく足攣るし…」下ネタかよ!しかもそれ恋か!?#twnovel 賞味期限が切れた食べ物はすぐに捨ててしまう妻。一日二日切れた所でどうってことはないと常々言っているのだが、どうしても嫌なのだそうな。……買って10年も経つ口紅は未だに平気で使っているじゃないか、と突っ込んでみたいものだがなんとなく自重している。#twnovel 【二次のべ】前世のトラウマの所為でどうしても狩人にだけはなりたくなかった神父ジムゾンは真剣に祈っていた。「我に光を!」――そして夜が明けて鏡を見ると、頭に三角の耳が生えていた。「おお神よ!」#twnovel キルギスには誘拐婚なる風習があるらしい。「見ず知らずの相手と勝手に結婚させられるなんて可哀想に…」妻がそんなTV番組を見て憤慨している。…あれ、50年程前親の決めた許婚として結婚式の日に初めて会って以降、中々上手くやってこれたと思っていたのだが…。#twnovel 私はメアリー。貴方達の言う所の九十九神とか妖怪とか、そういった存在よ。え? 九十九神と言うからには何かの魂なのかって? 勿論そうよ。何って、やだ、分からない? 貴方だって私の話は聞いた事があるはずだわ。「壁に耳あり障子にメアリー」って。#twnovel 「な、なあ……先っぽだけでいいから、なあ、頼むよ……」息を荒げてくる彼に私は憤慨して言った。「だ、だめに決まってるでしょ!?」先っぽだけだなんて非常識にも程がある! スイカは先っぽが一番おいしいって言うのに。#twnovel オットーさん。僕はあなたを愛している。愛しているのに、ああ、何故こんな事に……。あなたの瞳はもう僕を映す事はなく、僕がどれだけ問いかけても何も答えてはくれない。僕はただ頭を抱え、嘆く事しか出来なかった。 #twnovel この子はどうして何度も同じ間違いをするのかしら。息子の勉強を見る妻が嘆息する。仕方ないさ、僕の子だもの。例え過ちだと解っていても僕は何度でも君に恋して何度でも君を奪うから。かつては親友の恋人だった妻は物凄く困った顔をして笑った。 #twnovel 「村長も長老も大嫌いだ。頭が固くてすぐ怒る」「そうね。彼らは筋張ってて固そうだわ」「リザちゃんとこのレジおばちゃんはいい人だよね。お料理も上手だし」「そうね。おばさんはおいしくて大好きだったわ。でも私、ペタ君の事も好きよ」 #twnovel FEZというネトゲを始めた。夢中になる余り、始めた日曜から12時間もぶっ続けでプレイしてしまった。翌日出社すると上司が俺の顔を見るなり怒鳴って来る。「どういうつもりだ!半月も無断欠勤して!」 #twnovel *ゲーム内1日=45分 最強の味付けを教えてあげる。マーガリンに黒蜜。バターにお味噌。オイスターソースにマヨネーズ。ケチャップににんにくと豆板醤。塩胡椒したらごま油。叩いた梅干にコチュジャンを混ぜたソース。でも一番ご飯を美味しくするのは、私の愛情にあなたの笑顔。 #twnovel 子供の啜り泣く声が聞こえる。しかし若い母親はそれに答えず、鬼の形相を続けていた。「お母さん」母親は子供を振り向き、狭い部屋に押し込めた。「お母さん、もうやめてえ」「きゃあ♪こっちの服も可愛いわ〜」「うええん。もう飽きたよう」デパートの試着室で絶賛チビ・コレ開催中 #twnovel 昔々ある所にお爺さんとお婆さんが住んでいました。ある日川へ洗濯に行ったお婆さん、うっかり足を滑らせて水中にドボン。悲鳴を聞いて駆けつけたお爺さんの前に川面から突如謎の美女が現れました。「あなたが落としたのはこのお婆さんですか、それともロリ幼女ですか」「ロリ幼女」 #twnovel 愛する恋人の体内に俺はそっとソレを入れた。「あっ」彼女は小さく震えて声を出す。「痛かった?」「ううん、気持ちいい…」健気に答える少女の中を俺はソレでこそぐようにかき回し、幾度も出し入れを繰り返した。……「ふう気持ちよかった。今度は私がやってあげるね、耳かき」 #twnovel 正直者に幸運を授ける精霊が住んでいるという泉に彼女と二人で足を運んだ。泉のほとりに立ち、彼女の背を押す。ドボン。すると水の中から精霊が現れた。「あなたが落としたのはこの並の容姿の彼女ですか、それともこのナイスバディ美女ですか」「彼女です」「お巡りさんこっちです」 #twnovel ネットで知り合ったメル友とメールで冗談を言い合うのは楽しい。親身に相談にも乗ってくれる。ずっと仲良くしていたい大切な友達だ。でも、オフで会うのは怖い。メール以上のやり取りは怖い。直接話して失敗して嫌われでもしたら私は耐えられない。メールは私を守る鎧《mail》 #twnovel 「病める時も健やかなる時も、死が二人を分かつまで、俺はずっと君を護り続けると誓うよ、オットーさんっ♪」「だからって共有護衛して確占抜かれてンじゃねえこの糞カス天狂狩人がァァァ!!!」 #twnovel ▼ヨアヒム 付けてって何度も言ってるのに彼は付けない方が気持ちいいからと言って中々付けてくれないの……。我慢出来なくなったら付けるなんて際どい真似をするくらいなら最初から付けて欲しいのに。 ……ねえそろそろ付けてよ暖房。何で男の人ってこう暑がりなんだろ。もう11月よ? 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