彼女の悲しき日常


 今日もまた、私はその行為に耐えていた。
 普段は私に見向きもしない彼は、一日に一度、ほぼ必ず私の身体を求める。
 行為は夜に行われることが常だったが、夜まで耐え切れず、帰宅直後に求められることもあった。今日は後者だった。彼は帰る早々、いつものように私を掴み、無理矢理目の前に引きずり出すと、私に言葉の一つもかけることなく即座に硬いそれを私の中心にあてがった。入り口の部分を指で無理矢理押し広げ、中に一気に突き入れる。そして私の身体の一番奥に先端を届かせるや否や強引に動かし始めた。
 それを奥深くに咥え込んだまま乱暴に扱われる私の身体は行為の余りの激しさにきしむような悲鳴を上げるが、彼の気が済むまでこの反復運動は止められることはない。
 しかもその行為は一回で済むことはなかった。一旦、私の体内に存分に滓を吐き出して動きを止めると、終わったと思うのも束の間、間髪入れず別の硬いものが突き込まれ、また再び同様の行為が繰り返されるのだ。
 それが終われば次、またその次と代わる代わる挿入され、私は延々とまわされ続ける。
 幾度もの出し入れに耐え、その全てが私の中に吐き出し終えたのちにようやく私は解放される。最後の一回を終え私の中からそれを抜き出した彼は、もう私に一瞥をくれることもなく、そのまま隅に追いやった。
 私の体内には今日もまた、溢れんばかりの大量の残滓だけが残っていた。



 ――もっと丁寧に扱って欲しい鉛筆削り器(あとたまったごみもそろそろ捨てて)

【FIN】


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